日本ホラー小説大賞 歴代受賞作アーカイブ
1994年から2018年まで開催された、日本のモダンホラー隆盛を決定づけた伝説的文学賞。瀬名秀明『パラサイト・イヴ』、貴志祐介『黒い家』、岩井志麻子『ぼっけえ、きょうてえ』、恒川光太郎『夜市』、澤村伊智『ぼぎわんが、来る』など、日本ホラー史に残る幾多の名作・巨匠を輩出しました。
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第25回
2018年第24回
2017年奇奇奇譚編集部 ホラー作家はおばけが怖い
著者: 木犀あこ
霊の見える新人ホラー作家の熊野惣介は、怪奇小説雑誌『奇奇奇譚』の編集者・善知鳥とともに、新作のネタを探していた。心霊スポットを取材するなかで、姿はさまざまだが、同じ不気味な音を発する霊と立て続けに遭遇する。共通点を調べるうち、ふたりはある人物にたどり着く。霊たちはいったい何を伝えようとしているのか? 怖がり作家と最恐編集者のコンビが怪音声の謎に挑む、第24回日本ホラー小説大賞・優秀賞受賞作!
迷い家
著者: 山吹静吽
=== 第24回日本ホラー小説大賞 優秀賞受賞作 (選考委員:綾辻行人、貴志祐介、宮部みゆき) 綾辻行人「作品に強烈な“圧”がみなぎっている」 貴志祐介「エンタメ=壮大な虚構の極北として感動すら覚えた」 宮部みゆき「作者の物怪に対する愛情と、この分野の先達へのリスペクトが感じられた」 (選評より) ここは迷い家。妖と霊宝を隠世(かくりよ)に閉じ込める屋敷―― 昭和20年。火の雨降る東京大空襲から生き残った少年・冬野心造は、遅れて母校の集団疎開に合流した。 民話が息づく地・古森塚で、妹の真那子が行方不明となる。 妹と一緒に脱走を図った香苗の証言を基に山に分け入った心造の前に忽然と現れたのは、見渡す限りの蕗の原にたたずむ巨大な屋敷だった。 妹を捜して屋敷を探索するが、妖怪とでも言うべき怪物に次々と襲撃される心造。彼を助けたのは、老犬「しっぺい太郎」だった。 しっぺい太郎が語るには、屋敷は現世を追われた妖や、霊宝と言われる道具を封じるための異界で、稀に人も閉じ込められるという。 妹探しに協力してくれるという太郎だったが、そこにはあるたくらみがあった。 そして、脱出を図り様々な霊宝を使ううちに、大日本帝国の勝利を願う軍国少年としての紅蓮の野望が、心造の心に芽生えてくる。果たして心造が試みたことは、その結末は……。 ◆ 時代は下り、古森塚で教師になった香苗。街は、東京オリンピック決定で浮かれている。 香苗には、どうしてもぼやけてしまう疎開時代の記憶があった。 ある日、病院から姿を消した義父の後を追い山に入った香苗は、山中で巨大な屋敷を発見し……。 少年の哀しき紅蓮の野望が怪異まみれの「お屋敷」と共振する、新時代の怪奇冒険小説! 『遠野物語』はじめ様々な民話伝承を壮大な物語に取り込み、 清濁と、今昔と、栄枯と、虚実と、人と怪とを併せ呑んだ規格外の山怪譚。 装画=漆原友紀(『蟲師』『水域』ほか)
ハラサキ
著者: 野城亮
百崎日向は結婚が決まり、十年ぶりに故郷の竹之山を訪ねようとしていた。日向には小学校卒業までの記憶がほとんどなかったが夕陽に照らされる雪景色だけは覚えていた。日向は駅のホームで親友だったと語る相原沙耶子と出会う。突然、電車内を暗闇が覆い、日向は気を失う。目覚めるといつの間にか夜の竹之山駅にいた。人がまったくいない、明らかに異世界の竹之山駅の外には雪が積もり始めた女性の死体があり、その手には謎の手紙が握られており、竹之山温泉へ向かうよう書かれていた。襲いかかってくる黒い影から逃げながら、この出られない世界からなんとか脱出しようと温泉街をさまよう。日向の婚約者である神原正樹は、消えた日向を探し始める。繰り返される残酷な悪夢、一体この町で何があったのか。失った記憶を取り戻したとき、真の恐怖が日向を襲う――。戦慄のノンストップホラー。涙なしには読めない衝撃のラスト!書店員様より「これは最高に怖い!」(TSUTAYA三軒茶屋店 栗俣力也氏)と大絶賛。
第23回
2016年きみといたい、朽ち果てるまで ~絶望の街イタギリにて~
著者: 坊木椎哉
第23回日本ホラー小説大賞〈優秀賞〉受賞作。かつてこんなにも凄絶で美しいエンディングがあっただろうか――選考委員も絶賛した、生と死、夢と絶望が同居する混沌とした街で繰り広げられる、壊れたながらも究極に美しいボーイ・ミーツ・ガールの物語。
第22回
2015年ぼぎわんが、来る
著者: 澤村伊智
幸せな新婚生活を営んでいた田原秀樹の会社に、とある来訪者があった。取り次いだ後輩の伝言に戦慄する。それは生誕を目前にした娘・知紗の名前であった。正体不明の噛み傷を負った後輩は、入院先で憔悴してゆく。その後も秀樹の周囲に不審な電話やメールが届く。一連の怪異は、亡き祖父が恐れていた“ぼぎわん”という化け物の仕業なのだろうか? 愛する家族を守るため秀樹は伝手をたどり、比嘉真琴という女性霊媒師に出会う。真琴は田原家に通いはじめるが、迫り来る存在が極めて凶暴なものだと知る。はたして“ぼぎわん”の魔の手から、逃れることはできるのか……。怪談・都市伝説・民俗学――さまざまな要素を孕んだノンストップ・ホラー! 最終選考委員のみならず、予備選考委員もふくむすべての選考員が賞賛した第22回日本ホラー小説大賞〈大賞〉受賞作。
二階の王
著者: 名梁和泉
【第22回日本ホラー小説大賞 優秀賞受賞作】 30歳過ぎのひきこもりの兄を抱える妹の苦悩の日常と、世界の命運を握る〈悪因〉を探索する特殊能力者たちの大闘争が見事に融合する、空前のスケールのスペクタクル・ホラー! 選考委員も驚嘆! === 破天荒な大風呂敷が広げられる。総合的な筆力では今回の候補作中、一頭地を抜いていると感じた ――綾辻行人 『悪因研』の活動が、すべて○○であったとしたら、かなり怖いサイコホラー。違った楽しみ方もさせてもらった ――貴志祐介 邪神との闘いという王道のモチーフに果敢に挑んだ力作。読了後、確かにタイトルはこれしかないと、しみじみ納得 ――宮部みゆき === 東京郊外で両親と暮らす八州朋子には、大きな悩みがあった。30歳を過ぎた兄が二階の自室にこもり、家族にも姿を見せない生活が何年も続いているのだ。職場で知り合った男・加東に心惹かれる朋子だが、兄のことは話せずにいた。 そのころ、元警察官の仰木と6人の男女たちは、考古学者・砂原が遺した予言を元に『悪因研』を名乗り〈悪因〉の探索を続けていた。〈悪因〉は人々を邪悪な存在〈悪果〉に変えて破滅をもたらす。6人は五感で〈悪果〉を識別する能力を持つ者たちだった。 〈悪果〉を嗅ぎ分ける男・掛井は、同じショッピングモールで働く朋子への想いを募らせている。そして、掛井の仲間・卓美がある症状を発症し……。 === クトゥルー神話を思わせる魅力的な異形描写や、「世界の命運を握る存在」という大掛かりな題材。 それらと不思議にも共存する、「ひきこもり」という現代社会的なテーマ。 日常感覚に立脚し共感性の高い、女性主人公ほか登場人物の心情描写のバランスにも注目の作品。 === 装画=藤田新策
記憶屋
著者: 織守きょうや
もしも「記憶屋」が、つらくて忘れたい記憶を消してくれるなら、あなたはどうする――? 夕暮れ時、公園の緑色のベンチに座っていると現われ、忘れたい記憶を消してくれるという怪人、「記憶屋」――。大学生の遼一は、そんなものはただの都市伝説だと思っていた。だが互いにほのかな想いを寄せ、一緒に夜道恐怖症を乗り越えようとしていた先輩・杏子が「記憶屋」を探しに行き、トラウマと共に遼一のことも忘れ去ってしまう。まさかと思う遼一だが、他にも周囲で不自然に記憶を無くした人物を知り、真相を探り始める。遼一は、“大切なものを守るために記憶を消したい”と願う人々に出逢うのだが……。 「記憶」を消せることは、果たして救いなのだろうか――? そして、都市伝説の怪人「記憶屋」の正体とは――? 衝撃的で切ない結末に、きっと涙こぼれる。 二度読み必至の青春ノスタルジックホラー! ★第22回日本ホラー小説大賞 読者賞受賞作★ 書店員さんの支持No.1!! 「泣けました…」と感涙・絶賛の声、続々!! ・ノスタルジックホラーの名作になる予感がします。泣けるホラーとして推したいです。 ――中目黒ブックセンター 佐藤亜希子さん ・一ページも目をそらすことのできない心のゆさぶられかたでした。 ――オリオン書房 所沢店 高橋美里さん ・ミステリー要素も濃密でとても自分好みの作品でした。 ――TSUTAYA 三軒茶屋店 栗俣力也さん ・恐怖感やせつなさ悲しさなどいろんな感情がこみあげてきました。 ――八重洲ブックセンター 本店 鈴木貴之さん
第21回
2014年死と呪いの島で、僕らは
著者: 雪富千晶紀
――それでも、彼は彼女に、恋をする。 ボーイミーツガールから始まる最恐の青春ホラー! 東京都の果ての美しい島。 美しい少女、椰々子は、死者の預言を聞く力を持ち、不吉だと疎まれている。 同級生で名家の息子の杜弥は、そんな彼女に片想い。 しかし椰々子が「災いがくる」という預言を聞いた日から、島に異変が。 浜辺に沈没船が漂着し、海で死んだ男が甦り、巨大な人喰い鮫が現れる。 やがて島に迫る、殺戮の気配……。 呪われているのは、島か、少女か。 怖さも面白さも圧倒的!! 第21回日本ホラー小説大賞《大賞》受賞作!
ON 猟奇犯罪捜査班・藤堂比奈子
著者: 内藤了
謎の連続自殺事件。被害者は、かつて自分が犯した殺人事件と同じ手口で死んでいく。事件を追う新人刑事・藤堂比奈子が出会ったおぞましい真実とは!? ホラー大賞読者賞受賞!
第20回
2013年第19回
2012年ホーンテッド・キャンパス
著者: 櫛木理宇
八神森司は、幽霊が「見えてしまう」体質の大学生。片想いの美少女こよみのために、仕方なくオカルト研究会に属している。ある日オカ研に、女の顔の形の染みが、壁に浮き出るという悩みが寄せられ……。
第18回
2011年第17回
2010年第16回
2009年第15回
2008年第14回
2007年第13回
2006年第12回
2005年余は如何にして服部ヒロシとなりしか
著者: あせごのまん
クリクリとよく動く尻に目を射られ、そっと後をつけた女は、同級生服部ヒロシの姉、サトさんだった。ヒロシなら、すぐ帰ってくるよー。風呂に入っていけと勧められた鍵和田の見たものは、緑色の張りぼての風呂桶。そこに裸のサトさんが入ってきて…。ゆっくりと自分が失われていく恐怖を描く、第12回日本ホラー小説大賞短編賞受賞作。
第11回
2004年第10回
2003年第8回
2001年第6回
1999年ぼっけえ、きょうてえ
著者: 岩井志麻子
岡山の遊郭で醜い女郎が客に自分の身の上を語り始める。間引き専業の産婆を母にもち、生まれた時から赤ん坊を殺す手伝いをしていた彼女の人生は、血と汚辱にまみれた地獄道だった……。
スイート・リトル・ベイビー
著者: 牧野修
ボランティアで児童虐待の電話相談をしている秋生。彼女自身、かつて育児ノイローゼになりかけていたところを保健婦に救われたという過去があった。人はなぜ、幼い子供を虐待しなくてはならないのかーそんな疑問を抱く秋生のもとにかかってきた一本の電話。それをきっかけに、彼女は恐ろしい出来事へと巻き込まれていくー。
第4回
1997年D-ブリッジ・テープ
著者: 沙藤一樹
近未来、ゴミに溢れた横浜ベイブリッジで少年の死体と一本のカセットテープが発見された。いま、再開発計画に予算を落とそうと、会議室に集まる人々の前でそのテープが再生されようとしていた。耳障りな雑音に続いて、犬に似た息遣いと少年の声。会議室で大人たちの空虚な会話が続くなか、テープには彼の凄絶な告白が…。弱冠23歳の著者が巨大な嘘を告発する新黙示録。第4回日本ホラー小説大賞短編賞受賞作。
第3回
1996年十三番目の人格 ISOLA
著者: 貴志祐介
賀茂由香里は、人の強い感情を読みとることができるエンパス。あどけない少女千尋の多重人格障害に胸を痛める。やがて十三番目の人格〈ISOLA〉の出現に、彼女は身も凍る思いがした。
ブルキナ・ファソの夜
著者: 櫻沢順
旅行会社でツアーの企画を担当する「僕」は、ネタを探して世界中を飛び回っていた。航空機の給油のために立ち寄った西アフリカのブルキナ・ファソで「僕」が経験した不可思議な出来事とは――。ファンタジックなムードをたたえた第三回日本ホラー小説大賞短編賞佳作作品。表題作「ブルキナ・ファソの夜」ほかを収録。
第2回
1995年第1回
1994年混成種 HYBRID
著者: カシュウ・タツミ
それは、天才が生み出した一つの発明から始まった…。学界から異端視されている黒田博士の発明「金属植物」は、画期的であるにもかかわらず、学界やマスコミから全く相手にされなかった。-なんとかして世の人々に認めさせたい。黒田は、金属植物「チップ」を代用神経として使うことを思いつき研究を重ねた。実験が進むにつれ、黒田は妄想と狂気のはざまに入り込み、ひとつの想いに捕らわれていった。そして…。衝撃的なテーマで新たな恐怖を描いた異色のホラー。第1回日本ホラー小説賞佳作作品。